人と話していると、突然咳き込み、止まらないなんて経験はありませんか?また、風邪や喘息でもないのに、のどに痰がすぐ貯まったり引っかかったりすることはありませんか?

これって、後鼻漏かもしれません。

後鼻漏とは、鼻水がのどに流れてくる状態のことを言い、喉を刺激したり、むせたり、咳になったりしやすくなります。

私たちは、空気中の酸素を取り込まないと生きていけません。空気中には無数の細菌やウィルスが漂っていて、空気を吸うたびに肺に病原菌が入り込みやすいと言えますが、肺に直接入り込まないように、頑張っているのが鼻です。鼻の粘膜ではフィルターや肺に送る空気の温度調節をする働きがあり、細菌やウィルスを防御する役目があります。でも、鼻が悪いと鼻で呼吸しにくくなり、この防御機能を十分に果たせず、口呼吸になってしまいがちです。口呼吸になると、喉からもろ肺にウィルスや細菌などの病原体が空気と一緒に入ってきて肺を犯しやすくなります。また、口や喉が乾燥しやすくなり感染症なども起きやすくなります。

また私たちの体は空気から酸素を取り込み、体の隅々まで送っていますが、口呼吸よりも鼻呼吸の方が1.5倍以上も酸素の取り込み量が多くなることがわかっています。ですから口呼吸は、体のあらゆるところが酸素不足になりやすく老化を早めたり病気になりやすくなるとも言えます。

実に日本人の80%から90%の人が鼻が悪いそうです。でも、鼻が詰まったりすることに慣れてしまっていて、鼻が悪いと思っていない方もいらっしゃいます。慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎はもちろん、後鼻漏や咳、痰が気になる方は、この機会に治しておくとよいでしょう。

鼻の周りには、副鼻腔と言って空洞が何か所もあり、鼻と小さな穴でつながっています。風邪やアレルギーで鼻の粘膜が何度も炎症を繰り返すと副鼻腔にも影響が及び、悪化すると蓄膿症を起こしたり、慢性化していきます。普段症状はあまりひどくないため、見過ごしがちですが、痰や咳が多くなったり口呼吸になり、ほかの病気を併発しやすくなります。新型コロナウィルス感染症が心配なこれからのに向けて、是非漢方薬で鼻を治しておきましょう。